アート旅/旅アート


by kinoppi-cxb
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乾燥な気候が続くためか、黄砂の影響か、口の周り、目の周りの肌がガサガサだ。
こんな日は、ブルー。
できる限り、知り合いと会いたくない。

5月20日に新創刊する雑誌<ソワニエ>のカラーコンセをチェックした後、本当は、「ギャラリーおいし」で開催中の「大庭実華 展」と「アートスペース貘」で開催中の「南たえこ展」に行こうと思っていた。今週末までだから。
でも、この顔。
恥ずかしさと萎えた気分がまじりあい、さらにそこにちょっとした私的な悩みが加わり、ブルーの色は青から深淵へ。。。
そのまま家へ帰ろうと城南線を自転車で走っていたが、なんだか急に気が変わり、ハンドルを右へ、旋回。
「そういえば福岡市美術館で、木下晋展をやっとったなぁ」。
「福岡市美なら、そうそう知り合いにあうこともないやろ」
心でつぶやきながら、ペダルをこぎこぎ。


濃度の異なる20種類もの鉛筆を使い分けて人物画を描く、画家・木下晋(1947年~)。
会場に展示された17点の絵画。
大きなキャンバスに描かれた女性の顔から始まり、老女、作家の妻、愛猫と続く。
モデルの目が印象的すぎて、会場全体を見回す余裕もなく、ただただ1作1作と対峙するのみ。
髪の毛、猫の毛、1本1本を描いた線は別として、肌の質感を表す濃淡や、黒い瞳や背景に、鉛筆の筆跡は見られない。とてもやわらかく、しっとりしている。

猫の毛が気持ちよさそうだ。。。うっとり気分で横に眼をやると、どきんとした。
「煩悩」というタイトル(だったっけ?)の小さな作品。
真黒い闇に、ぼぅっと浮かぶ両手。なにかを受けようとしているかのように、杯のように手をかざしている。はて、手のひらの上の闇の黒は、ぱっと見ではわからないが少し濃淡があるのだろうか。じっと見つめていると、なにかモワモワしたものがあるように見えるのだけど。。。背筋が少しぞっとした。

「煩悩」の後に続いて、自画像。そして、そこからは瞽女・小林ハルさんをはじめ、眼から光を失った、あるいは生まれつき盲目だった人を描いた作品が続く。
ほとんどが、高齢の老人である。
鉛筆によって深く刻まれた皺の強さとはうらはらに、ガーゼのようなやわらかい印象。
寂しげにも見える表情は、一方で、人がだれでも持つであろう邪悪というか、俗なものが抜けたような、見ていて安らぎさえも覚える。
さらには、人物画であるものの、そこに、人の生きてきた時間さえも見えてくるように感じるのだ。時空を超えた、時間の感覚。

木下は、絵を描くだけでなく、会話や対話をおこないながらその人物を知っていくという。
人への興味と敬意の結果、絵に魂がこもるのだろうか……絵を観ているのに、生身の老人たちと対峙しているような錯覚になってくる。彼らの歩んできた人生を知るはずもないのに、その歴史を話してもらっているような気になってくる。
こんなにも、心が揺さぶられるなんて。こんなにも、ずっと見ていたいなんて。
こんなにも・・・・・。


ブルーな気分よ、いずこへ?
アートは、時に人に幸せや笑いを与え、また時に人を思考の道へと導く。
そんな時、気持ちのモヤモヤは私の心の中に存在する余裕がなくなる。
木下晋の作品との出会いは、一瞬のうちに私のブルーを吹き飛ばした。
圧倒的な存在感と、感動を私の心に残したのだった。


木下晋展(西本コレクション)
2010/3/30~5/9
会場:福岡市美術館
詳細はコチラ
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# by kinoppi-cxb | 2010-05-01 15:16
4月10日に大濠能楽堂で開催された、ポール・スミス氏のトーク・イベント。
いろいろ感銘するところはあったが、なかでも、彼がはじめて小さなショップをオープンした頃に実践していた行動のリズムは、非常に参考にしたいと感じた。

それは、月~木曜日は生活費を稼ぐためになんでも仕事をするが、金・土曜日は決して妥協をせず自分の表現のためだけに時間を割く、ということ。
週に2日は自分の理想ためにのみ集中するのである。

彼と同じようにできればそれこそ理想だけど、現実はそうはいかない。
でも、少なくとも、月~金曜日はいただいたお仕事をきちんとし、
土曜日は、日常の仕事から離れて、ぐちゃぐちゃになっている頭を整理したり、なんかアイデアに費やす時間をつくれればなぁと。まずは、頭を整理してブログを更新するという単純なことだけでもよい。
そして日曜日は、部屋を片付けたり、本を読んだり、映画を観たり、散歩したり、ワインを飲んだり、時々、料理に挑戦したり。

レイジーなワタイにとって、実現するのは厳しそうだけど、この気持ちをもっていよう。
でないと、最近ぐだぐだで脳みそが腐りつつあるから。
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# by kinoppi-cxb | 2010-05-01 14:09 | メモ
昨年秋(9月5日~11月23日)に、福岡アジア美術館で開催された「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ」(FT4)。アジア美術の最新傾向を紹介するこの展覧会では、作品展示のほか、アーティストを招いて、滞在制作やワークショップ、トークなどいろんな“交流プログラム”が繰り広げられた。

FT4の始まる前の5月頃、その交流プログラムの記録集制作のお話をいただき、ありがたくお受けした。FT4期間中の約3カ月間は、交流プログラムに関するイベントやワークショップがある度に、アジア美術館へと通い、FT4が終わってから記録集納品までの約4カ月間は、執筆と編集に力を注いだ。全80ページと、冊子としてはそんなにボリュームはないものの、半分以上は英語併記のバイリンガル、また交流プログラムの写真を集め、選ぶのに予想以上に時間がとられてしまい、他のお仕事はなんとかこなしたものの、主婦業など日常業務はおろそかに。もちろん、ブログを更新する時間もなし。観たかった展覧会もいくつか涙を飲んで見逃した。

いわゆる、キャパ超え? 
まぁ、とにかく最終的には3月31日、つまり年度内に無事納品できた。

お役所発行の記録集や報告書などはきちんとした印象のものが多いが、この記録集は誰でも気軽に手に取ってもらえるよう、雑誌のようなわりとやわらかいイメージで作ってみた。変更に次ぐ変更にも関わらず、デザイナーの「Calamari Inc」さんたちが頑張ってくれたおかげで、なかなかかっこいいものに仕上がったと思う(←自画自賛という)。

関係者への配布を主な目的とするため部数はあまり多く刷られていない。書店などでの販売はなく、福岡アジア美術館7階のミュージアム・ショップでのみ販売。福岡アジア美術館へお越しの際は、ぜひとも、手にとってご覧くださいませ(買わなくてもいいから、見るだけでも見てください……)。


■第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009 交流プログラム記録集
全80ページ/1000円
コンテンツ:アーティスト・インタビュー/交流プログラム・参加アーティスト活動報告/FT4会期中のイベント(開会式、開催記念イベント、トーク、子ども向けイベント&ワークショップ、クロージング・イベント/交流プログラム一覧/展示図録補遺/交流エッセイ/FT4ダイアリー/サポーターたちの活動&感想)


e0101090_18301231.jpg表紙:特色使ってます。ゴールド色です、ゴールド。FT4は福岡アジア美術館10周年記念の展覧会でもあったので、豪華に装丁してもらいました。「ビッグカメラ」の紙バッグのように、ずらりと並んでいる英文は、FT4に参加した43組のアーティスト全員の名前です。

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表紙の裏面は、FT4参加アーティストの野村誠と高取中学校吹奏楽部の生徒が一緒に作り、オープニングで演奏した曲『吹奏楽のための「福岡トリエンナーレ」』から抜粋した楽譜を掲載! 野村ファンはもちろん、あの時感動したあなた、必見です。こちらも特色~。

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アーティスト・インタビュー:巻頭に6人のアーティストのインタビューを掲載。リアン・セコン、シーマ・ヌズラット、ポスト・ミュージアム、野村誠、アショーク・スクマラン、アン・ジョンジュ。

e0101090_18342870.jpg交流プログラム・参加アーティスト活動報告: 13組のアーティストの活動を、記事スタイルで紹介。アーティストごとに、デザインちょっとずつ変えてもらってます。デザイナーさんに感謝!

e0101090_18382696.jpgFT4会期中のイベント:もうどのページも人だらけ。いやはや、たくさんイベントがありました……。






e0101090_18404886.jpg展示図録補遺:FT4展示図録では、プランのみを紹介していた作品や、変化を遂げた作品などをあらためて紹介。会場風景も掲載しているので、FT4を観られたた方は記念にいかが?

e0101090_18412866.jpge0101090_18414089.jpg雑誌っぽくするために、1カラーページを16ページ入れてみました。交流係のエッセイや、FT4の日々を綴ったブログ、サポーターたちの活動や声を紹介しています。
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# by kinoppi-cxb | 2010-04-16 18:54 | インフォメーション

続・開店休業プラスα

年が明けてから、すでに2月もそろそろ中旬。
ぜんぜん、再開する気配なしの、こちらのブログです。

ただいま、とある冊子の制作真っ最中。
そちらの入稿が2月24日なので、いましばらく開店休業いたします。
とある冊子の詳細は、出来上がってからこのブログにて、また。
3月末発行予定です。(まだ先~)。


感想書いてる余裕はないけど、が、しかし、アートイベントにはちょこちょこ顔を出しています。
ざっくりまとめました。詳細も感想もちゃんとしてない、もう、適当な文章です。

ねこびリターンズ
終了
会場:ART BASE 88

今回もニャンコをはじめ、可愛いやつや奇妙奇天烈な「イキモノ?」たちが大集合。ちいちい∴作の猫頭(黒猫)を購入。会期中、台湾から参加のアーティスト・トークも。会場にはコタツがあり、ビール飲んだり、漫画読んだりまったり~(たくさん通えることができなかったのが、なんとも残念)。
ねこびリターンズは、3月に台湾でも開催!福岡飛び出て、いきなり海外だ☆
詳細はコチラ


中崎博之個展
終了
会場:モマ・コンテンポラリー

「爆発」をモチーフした平面、そのヴィヴィットな色彩が印象的だった中崎だけど、今回の作品はイメージ一転、ほわっとした色彩のアブストラクト。しかし、戦争・原爆を根底にすることは変わっていない。今回は爆発~再生へとストーリーが進行しているにすぎないのだ。
コンセプト・テクニックはそのままに、ガラッと印象を変えた中崎の表現。次回の発表が、非常に楽しみ。
詳細はコチラ


Brand New Valentine
Ayako Suwa Exhibition“TASTE OF STORY”
10/1/23(土)~2/14(日)
会場:三菱地所アルティアム

市内いくつかのギャラリーとの共同企画。
三菱アルティアムで週末開催の「恋愛感情をあじわうレストラン」は、ちょっとした偶然によってオープニングでのパフォーマンスに客として参加。東京からきていたロマンス・グレーの素敵な男性と相席、次から次に出される驚きフードによって、初対面ながらも2人ではしゃぐことになりました。
見た目も味も情熱的なフードは、心を刺激する媚薬? ちょっとエロティックだし、大切な人と食べたなら・・・。今週いっぱいだから、もう予約受け付けは終了かも。
詳細はコチラ


柴田高志個展
終了
会場:artspace tetra

以前、彼の作品は、アートスペース貘でみたことがあった。名前までは覚えていなかったけど、強く印象は残っていて、今回たまたまtetraを訪れ、制作途中の作品を目にしたときすぐに「あ、あの作品だ」とピンときた。若いのに、それだけ独自性がある。
ホラー漫画のように、ちょっとモヤっグワっと胸を圧迫するものがあるが、それでも筆遣いやフォルムのバランスが美しく、ついつい長々と眺めてしまう。今後もチェックしたい、期待のニューカマー。
柴田高志公式サイトはコチラ


山内光枝レジデンス報告
終了
会場:ART BASE 88

なんかインドの小さな村に、レジデンスに行っていたらしい。1人でアプライして。
行動力もあるし、帰ってきても、依然と変わらずのほほんとしている。おもしろいオナゴだ。
報告では、滞在したジョードブルのレジデンス・キャンプの様子、作品制作についてなどなど。テントで寝泊まりしていたというのがウケる。
日本人はおろかアジア人などほとんどいないという、その地で、村人に声をかけて手形をとっていった山内。その手形の手のひらの生命線を、村人と一緒に糸で縫ってつなげていったという。
山内のマイペース的な作品&解説のおもしろさに加え、村周辺の写真がまたすごかった。インドに行きたい熱が、またあがった。
山内光枝公式ブロはコチラ


BEPPU PROJECT 2010 アート・ダンス・建築・まち 説明会
終了
会場:ART BASE 88

昨年の「別府混浴温泉世界」からまだ1年もたっていないのに、今年3月にまたBEPPU PROJECTがやらかします。その説明会に出席。
詳細は公式HPにてみていただくとして……今回、美術部門のディレクターの雨森新さんのセレクトに注目! 彼女と私は同年代(アラフォー世代)だけあって、好みが通じるものがあるのか、気になる作家が満載だ。また、作家自体も同年代。同時代に生きる、同世代の人々が、どんな表現をやらかすのか。これは、アラフォー世代にとっては非常に刺激的なのである。
あ、もちろん同世代でなくとも、おすすめです☆
このプロジェクトについては、また、落ち着いてからコメントしたい。
詳細はコチラ


そして今週みたい展覧会!

三輪恭子個展
2/1(月)~14(日)
会場:共同アトリエ・3号倉庫

詳細はコチラ

「LANDSCAPE INTO LOVE」
尾中俊介
2/4(木)~14(日)
会場:IAF shop*

詳細はコチラ

田代一倫写真展
「八幡」
2/5(金)~18(木)
会場:Asia Photographers' Gallery

詳細はコチラ

2月11日(祝)のイムズで開催の「燃えるチョコレートを食べる」イベントは、都合がつかず断念。
ほか、同ヴァレンタイン企画のもろもろも行きたいけど……。


12日(金)から開催の冬季オリンピックをみるためにも、日々、仕事に励むのです。
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# by kinoppi-cxb | 2010-02-09 12:06 | インフォメーション

開店休業

福岡・秋のアートラッシュもひと段落。
あまりのラッシュに、レビューが追いつかなかった・・・。

そして現在。
FT4の記録に関するお仕事を進めています。
年末のもろもろ作業もあわさり、12月いっぱいはあわただしい日々が続きそうです。

ということで、(これまでも休んでいたけど)
年末年始は、こちらのブログ、開店休業。

復活は、1月中旬あたりかしらん?
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# by kinoppi-cxb | 2009-12-21 11:17 | インフォメーション

北九州に行ってきた

福岡(市)から新幹線で北九州へ。片道たったの20分弱。しかし、土日割引とはいえ往復3000円。頻繁に訪れるには、懐が痛い距離。ということで、現在開催中の「北九州国際ビエンナーレ2009」と「街じゅうアート」を抱き合わせて北九州に行ってきた。
まずはビエンナーレのメイン会場のある門司港へ。12時からの開場なので、正午前に到着し、門司港名物の「焼きカレー」を食べる。これもそう、抱き合わせの一つ。駅前にはいくつか焼カレーの店が並び、悩んだ末に某アイドルがおすすめした某店へ。ここはルウがサラサラ系。おいしかったけど、もっとネットリしたのが食べたかったなぁ。前に食べた2軒隣のビル最上階にあるレストランの方は香ばしく私好み。次回は、そこへ行こう……って次回はいつになることか?


北九州国際ビエンナーレ2009 「移民」
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旧JR九州本社ビルをメイン会場とするビエンナーレ。建物の古さは半端でなく、中に入ると、使われてない建物がもつあの独特の空気感。身体がぞわぞわしてしまう。
作品はほとんどが映像で、今回の「移民」というテーマそのものに、移民の多く住んでいる(いた)いくつかの国・土地の映像が、音もなく、画面をたゆたうように静かに流れ続けていく。
それぞれに映し出される場所は違えども、映像のリズムに統一感があったので、作家名を確認したら、ほとんどの作品に「キャンディ・ファクトリー」が絡んでいた。「ビエンナーレ」という名称だけに、いろんな作家の手法や表現を見られると思っていたけど……。「まるでキャンディ・ファクトリー祭りやね」と、一緒にいった友人と苦笑。

小倉にあるもう一つの会場「ギャラリーSOAP」の方では、おなじみの北九州の新旧の街並みの映像が流れていた。そもそも、北九州・門司が「移民」の歴史をもつ土壌であることから今回のテーマが生まれたと聞いたことを思い出す。
出展作品全体の印象が、いろんな要素があいまって必然的に内から外へと出したいという強い意思のもの生まれたものではなく、テーマにそって内容を構築していくような論文的な作り方だなぁと、私には感じられ、頭で対話しようとしても心が揺さぶられはしなかった。しかし、前もって「移民」と北九州の関連について聞いていたんだから、私も、あらかじめ北九州の移民についてある程度調べてくれば、もっと、この展覧会に関して感じるものが違ったかもしれない。
今回のビエンナーレでは、展覧会だけでなく、シンポジウム、トーク、映画上映などの要素も含まれる。美術展という1つのアプローチからだけでなく、いろんな側面から、本展のテーマ「移民」を考えるという寸法だ。つまり、見る側も積極的に動いたり、考えたりしないといけない。そうすることで、ようやく今回のビエンナーレと向き合える……そんな気がした。
昨今、私たちは見せる側から当然のようにイベントを提供してもらったり、分かりやすくテーマに導いてもらうというあり方を求め、またそれに甘んじている状況だ。常に満腹状態では、栄養も吸収しないし、神経も麻痺してくる。見る側にとっても積極性が求められる、ハードルの高いこのビエンナーレ。私は満腹状態で挑んだためにさほど美味しさを感じなかったが、ハングリー状態で挑んだとしたら、もしかしたら、酸い、甘い、苦い…もっといろんな味が広がった可能性があったように思えた。



街じゅうアート in 北九州2009 ‐産芸ものがたり・前編‐
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訪れた日は富永剛のワークショップが行われていた

「街じゅうアートin北九州」は、企業(=産業)と作家(=アート)がコラボレートした作品を鑑賞しながら、街を回遊するというアートプロジェクト。来年大がかりな展示を行う予定であり、今年はメイン会場のリバーウォーク北九州5階のアートラウンジのほうで、来年のための作品プランがパネルで展示されていた。実際の作品展示はないけど、プラン図と説明文によって各アーティストのアイデアに触れることができるので、これはこれで非常におもしろい。しかもまだ実現できるかどうかも不明な段階でのアイデアもあって、「ほんとにこんな作品できるの~?でもできたらめちゃめちゃおもしろそう」と笑い半分、期待半分。特に牛島均のプランが私にはツボで笑えて……ほんと、実現したらいいのに。
さっきのビエンナーレの話と似てくるけど、来年のその大がかりな展示を見に行くならば、今回のこのプランは見ておいたほうがきっと、もっと来年が面白い。さて、どのプランが、どの程度計画どおりに実現するか?ちょっと意地悪な視点で、私は楽しむことにしよう。


余談だけど、小倉では旦過市場でイワシのぬかみそとサキイカを買い、シロヤベーカリーでサニーパンほかを購入。北九州への旅、“抱き合わせ”過ぎ!(ここにハングリーになってもねぇ。笑)


北九州国際ビエンナーレ2009 「移民」
開催中~11/15(日)
会場:旧JR九州本社ビル(門司)/ギャラリーSOAP(小倉)
詳しくはコチラ

街じゅうアート in 北九州2009 ‐産芸ものがたり・前編‐
10/10(土)~30(金)
会場:リバーウォーク北九州5階アートラウンジ、ほか
詳しくはコチラ

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# by kinoppi-cxb | 2009-10-29 10:59 | 展覧会レビュー
<今週末からはじまる展覧会10/10~>
大原美術館コレクション展 名画に恋して
10/10(土)~11/29(日)
会場:福岡県立美術館

「名画」と「ミュージアム力」をキーワードに、名美術館と名高い岡山県・大原美術館のコレクションを、近代から現代まで多彩に紹介。名画はもちろんのこと個人的に、ジュン・グエン・ハツシバ、山口晃、福田美蘭、やなぎみわなど、コンテンポラリーアートの作品も非常に楽しみ!会期中、講演会、トーク、コンサートなどイベントもりだくさん。
詳細はコチラ

北九州国際ビエンナーレ2009 「移民」
10/10(土)~11/15(日)
会場:旧JR九州本社ビル(門司)/ギャラリーSOAP(小倉)

2年に1度開催(予定?!)の「北九州国際ビエンナーレ」の第2回展。今回は「移民」をテーマに、移民の持つさまざまな側面を、アートを通じアートとともに考察していく。会場は前回と同じく、旧JR九州本社ビル。廃屋のように生気が感じられない、じっとりしたビルの一部屋一部屋の空間に、延々と淡々と、映像が流れていくインスタレーションの様がシュールで印象的で好きだった第一回展。今回も映像作品が中心、どんな内容でどう場所と関わりながら、空間を構築していくのだろう。シンポジウムや映画上映会も開催。
詳細はコチラ

街じゅうアート in 北九州2009 ‐産芸ものがたり・前編‐
10/10(土)~30(金)
会場:リバーウォーク北九州5階アートラウンジ、ほか

企業(=産業)と作家(=アート)がコラボレートした作品を鑑賞しながら、街を回遊するというアートプロジェクト。企業によるプロダクツがアート作品の一部になる、産業技術・デザインの美しさと、北九州の産業の力をあらためて感じさせてくれる、ユニークな展覧会だ。今回は、来年おこなう大がかりな展示へ向けたイントロダクション。パネル展示のほか、参加アーティストによるトークやワークショップなどのイベントを開催。久保田弘成というアーティストが気になる…展示会場がIrish Pubだし…。
詳細はコチラ

生誕130年記念 冨田溪仙展
10/10(土)~11/23(祝)
会場:福岡市美術館

大正・昭和前期の日本画史を彩った、冨田溪仙。福岡市博多区下川端町の出身。「模索の時代」「画風の確立」「詩情の醇化」「さらなる洗練」の4章で構成。冨田溪仙のまとまった作品を見られるのは、福岡ではなんと32年ぶりだそう。
詳細はコチラ


<絶賛開催中!の展覧会>
第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009
9/5~11/23(祝)
会場:福岡アジア美術館

アジア21カ国・地域、総勢43組のアーティストを紹介!会期中、トーク、ワークショップ、パフォーマンスなど交流プログラムが満載。
詳細はコチラ

カンガルー日和
9/4~10/17(土)
会場:モマ・コンテンポラリー

福岡アートシーンを牽引する「モマ・コンテンポラリー」が、過去に何らかの形で福岡と関わりをもったアーティストたちに声をかけて企画。テーマは「動物」それぞれ小ぶりな作品だけど、錚々たる顔ぶれに、また新作も多く発表されている。こんな「粒ぞろい」の内容は、なかなか福岡でも見る機会はないかも。伊藤隆介の新作インスタレーションは必見、あと謎の骨董品も……?!
詳細はコチラ

日野陽太郎「森を見て木を見ない3」
10/6~25(日)
会場:アートスペース・テトラ

北九州市在住のアーティスト。独特の色づかいと組み合わせ、織物のようにも見えてしまう不思議なタッチの平面作品。
詳細はコチラ

イチハラヒロコ展覧会 一生遊んで暮らしたい。
10/5~11/3(祝)
会場:casa cube 天神モデルハウス

コトバにいっそうの息吹を与える、コトバの魔術師、コトバアーティストのイチハラヒロコ。会場は美術館でもギャラリーでもなく、なんとモデルハウス。戸建住宅の床や壁、いろんな場所にコトバを貼り付つける。家の外壁には大きなコトバ「もれなくハッピー。」の垂れ幕が。まだ、展覧会見に行ってないけど、どうぞ、ハッピーにしてください……。このcasa cubeというモデルハウスのアイデアにもご注目。
詳細はコチラ

野村佐紀子写真展「黄金虫」
9/28~10/31(土)
会場:アートスペース貘2ND

福岡の老舗ギャラリー「アートスペース貘」の2ndが9月にオープン。そのこけら落としとして、貘で毎夏新作を発表している野村佐紀子の展覧会が開催。見ていると、闇と光沢が、肌に静かにまとわりついてくる、そんな印象を受けた。
詳細はコチラ


<今週末終了の展覧会 お見逃しなく!~10/11>
マイケル・リン個展 間
~10/11(日)
会場:三菱地所アルティアム

http://cxbmaga.exblog.jp/11233652/
詳細はコチラ
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# by kinoppi-cxb | 2009-10-10 12:44 | インフォメーション
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深呼吸したくなる。すうっと呼吸してしまう。
襖や障子を開ける前、ひと呼吸置くのはなぜだろう。ドア(扉)ではそんなことはないのに。
襖が並ぶこの作品で、幾度も幾度もすうっ、すうっ。
幼いころから身体に染みついている、“日本”的な感覚が蘇る。いや、もしかしたら、古来より脈々と受け継がれてきた“日本”の感覚が呼び醒まされたのかもしれない。

襖で区切られたいくつかの空間。順路はなく、好きな襖を開き、好きなように空間を歩いて回れる。台湾人アーティストのマイケル・リンがデザインした襖の絵柄は、台湾のテキスタイルでよく使われるような、台湾の伝統の模様に基づいたもの。日本のそれとは近いものの、やはり異なる。
“日本”をこの作品から感じるのは、絵柄からではなく空間から。
展覧会の英タイトルは『room』だが、和タイトルは「部屋」ではなく、『間』と訳している。言葉の妙。あからさまではなく、まさに、そんな微妙な感覚で“日本”を感じるのである。
マイケル・リンが、この作品に日本を意図したのかしなかったかはしらないが、私は、自分がもっている記憶の旅へ、彼によって導かれたのだ。
ギャラリーにいながら、私は、実家の仏壇のある広間を通り、納戸への襖を開けている…。

展覧会には2度訪れた。1度目は1人で、2度目は友人2人と一緒に3人で。
1度目は自分がどの襖を開き、どう空間をさまようかを意識した。
2度目は、友人たちの行動を見ているのがおもしろかった。
まんまと作品に翻弄されているわけだけど、実はそう、わざと翻弄されているのだ。

とても曖昧な感想になってしまった。。。だけど、はっきりとした言葉が見つからない。
レビュー記事としてはまだまだだなぁ・・・と思う反面、マイケル・リンの『間』に、明確な意見が似合わないような気もしている。


マイケル・リン展 『間』
開催中~10月11日(日)

http://artium.jp/exhi/


襖の絵柄を合わせると、襖の重ね具合が日本式ではないんだね。
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# by kinoppi-cxb | 2009-09-27 23:36 | 展覧会レビュー
現在開催中の「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ」。
会期中にアーティストたちが福岡にやってきて、滞在制作やワークショップ、トークにパフォーマンスなど、さまざまな交流プログラムを繰り広げる。作品鑑賞にとどまらず、作品が生まれる現場に立ち会ったり、自分たちも作品に参加したり、アーティストの生の声をきいたり…アートを身体で感じることができるのも、福岡トリエンナーレの大きな魅力の一つだろう。

もう2週間も前のことになってしまったが、9月5日と6日におこなわれたFT4のオープニング・イベントは、てんこもりだった。
西京人のトーク、アーティスト数人によるギャラリー・ツアー、ホァン・ヨンピンのトーク、野村誠と高取中学校吹奏楽部による「福岡アジア美術トリエンナーレ」の曲演奏、リアン・セコンの「マカラ」のパレード、ハァ・ユンチャンによるパフォーマンス、ヤスミン・コビール&ノニ・アフメットによるトーク&上映会に参加。
そして、私はこれらのオープニング・イベントで、感動して胸にぐっとこみあげるということが、3度もあったのである。

こみあげ1:野村誠と高取中学校吹奏楽部によるコラボレーション
野村誠が高取中学校に何度か出向いてワークショップをおこない、吹奏楽部の生徒たちと一緒につくったオリジナル曲「福岡アジア美術トリエンナーレ」を演奏。
この曲は1人1人の生徒に、FT4参加作家の名前が1人ずつ割り当てられ、それに音階をつけたものを、まとめて1つの曲に仕上げたものだ。私は初日のワークショップを見学していただけに、どうやって曲が生まれたか、また生徒の努力や野村誠の創造力が容易に想像できた。そして、そのワークショップで聞き覚えたメロディが流れると……胸がこみ上げるどころか、実は涙が溢れそうになったのだ。周りに知り合いも多く、あわてて平静を装ったが、久しぶりに頭で考えることなく、心で素直に感動を味わうという経験だった。(高校時代に吹奏楽部だったこともあるから、よけい感情移入してしまったのかもしれないが)。
この日以来、野村誠の大ファンになり、あじびで野村の映像を見るたびにときめいてしまうという、おまけあり。
カメラのシャッター音にあわせて音を出す野村誠
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自分がメロディをつけたアーティストの作品のそばで演奏
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こみあげ2:リアン・セコンの「マカラ」のパレード
90メートルもの作品「マカラ」に、90人が入って、福岡アジア美術館~川端商店街~キャナルシティ博多をパレード。2時間練り歩いた。「マカラ」に入って歩く人々、それをサポートする美術館スタッフやボランティア、手拍子してパレードを見守る川端商店街のおじちゃんやおばちゃんたち。いろんな人たちの顔から笑顔があふれていた。もちろん、作家自身もとびきりの笑顔。
復路では、「マカラ」の一部が船になり、車になり、再びマカラに戻るという変化もあり。後に聞いた話だが、これを練習したのは、パレードのほんの数時間前だったとか。
パレードの先頭にリアン・セコン。楽しそう
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長い、長い
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こみあげ3:ヤスミン・コビール&ノニ・アフメットによるトーク&上映会
ヤスミンはドキュメンタリー映像を撮る作家である。FT4出品作品の上映&解説の前に、彼女が以前撮影した2本の映画が上映された。
1本目は『移民者の心』。バングラデシュからマレーシアに労働のために移住し、そして亡くなったbabuという青年の存在を通して、移民者の心を描く。Babuの家族へのインタビューや、babuが家族にあてたカセットテープなどが淡々と流れる。
2本目は『ある自由解放』。バングラデシュの独立解放戦争の際、家族を目の前で殺され、狂気の堺を越えてしまった女性を映し出したドキュメンタリー。
いずれも途中までしか上映されなかったが、この映画に深く胸を打たれた。そして作品を撮り続けるヤスミンという人物の説明にも。


涙もろくなったのは(実際は泣いていないけど)、単に私が歳をとっただけではない。“人”から“人”へ直接伝わる気持ちや言葉は、強い。

FT4ではまだまだ、交流プログラムが予定されている。
あまり広報されていないから(苦笑)、自主的にチェックして、ぜひとも、アーティストたちが伝えるメッセージをダイレクトに肌で感じていってほしい。

福岡アジア美術トリエンナーレ
開催中~11月23日(祝)
http://www.ft2009.org/jpn/

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# by kinoppi-cxb | 2009-09-21 17:38 | 特集
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エントランスからいきなり登場する、フィリピンの若手作家、ジャン・リーロイ・ニューの作品「キメラ」。この作品のインパクトもだけど、左下に設置された巨大な作品キャプションが笑える



1999年の開館以来、福岡アジア美術館にて3年に一度開催されている「福岡アジア美術トリエンナーレ」の第4回展(FT4)が、先週の9月5日に開幕。

今回の「福岡トリエンナーレ」は、割と暗かったり、重いイメージの作品が多く、前回に比べると地味に感じるが、1つ1つの作品のコンセプトの深みや、完成度の高さなど、なかなか印象深い。
取材のためざっとしかまだ作品をきちんと見れていないので、あまり確信めいたことは言えないが、これから見る機会のある人には、キャプションを読みながら、時間をかけてじっくりみてほしい、そう感じた。

参考までに、メイン会場となる「福岡アジア美術館」の7階では、
・「第1会場」を“白の部屋”というイメージにして、広々とした空間に大物作品が多数展示
・「第2会場」を“黒の部屋”というイメージにして、全体的に暗い雰囲気に。映像やインスタレーション作品を主に展示
という風に、会場構成も演出されているので、その違いも楽しんでみてはどうでしょう?

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5日(土)、6日(日)は、オープニング・イベントが満載。
実は、このオープニング・イベントがかなりよく、本当に感動してしまい、危うく涙ぐみそうに。それも、3回も!(野村誠と高取中学のブラバンによる「トリエンナーレの歌」演奏、長さ90メートルの作品のパレード、バングラデシュのアーティストによるトーク)。
前日の内覧会に出席した方は、基本続けて見に来ることはないから、このイベントを見逃した人も多数いたようで、なんとも残念だ。
※上記イベントのレポートは追ってアップする予定

トリエンナーレ会期中は、ほかにもいろんなイベントが企画されているので、要チェック!
展示だけでなく、アーティストの生の声がきけたり、さまざまなイベントが催されるのがトリエンナーレの魅力の一つなので、ぜひとも、それを体感してもらいたい。

ちなみに、会期中に作品が作られ、どんどん展示も増えていくという本展。会期終了間近に訪れると、また違う雰囲気が味わえる。
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# by kinoppi-cxb | 2009-09-11 15:30 | 特集